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映像四郎の百人斬り

映像四郎の百人斬り

「歌舞伎町のブッダ」

 「歌舞伎町のブッダ」

 「歌舞伎町のブッダ」は、20代半ばで、

 新宿は歌舞伎町の「コマ劇場」界隈に棲息している。

 「歌舞伎町のブッダ」の隣に座って、街を眺めていると、

 彼の「新宿」を行動半径とする女友達が、

 入れ替わり立ち替わり顔を見せる。

 キャバ嬢なのに、マンガ喫茶を根城にしている女性。

 美人なのに、ちょっとした年齢差で、キャバクラの面接を受け続けている女性。

 などなど。

 去年の夏、「右翼バンドマン」の友人である「流しマン」の

 コマ劇「深夜弾き語り」を、撮影し、

 その時、「歌舞伎町のブッダ」に会った。

 まだ、コマ劇に棲みついてはおらず、一般人に感じた。

 時には、女性から、お誘いを受け、

 ラブホテルへゆくこともあるそうだが、

 路上での睡眠では、本当には疲れが取れないからか、

 女体を前にしても、熟睡してしまうことも、多々あるという。

 「歌舞伎町のブッダ」は、

 「コマ劇」の空間に潜む流動体としての「気」を

 「キヨラカ」にしているらしい。

 磁場に対しての「空気清浄機」として、「呼吸」しているそうだ。

 単純に面白い。都会の片隅に紛れて、「自己宗教」しながら、暮らす

 「インド的な修行者」と見れば、存在が理解しやすくなる。

 基本的に、私は、信じない。

 人間の認知的構造は、体系の与え方によって、

 如何ようにも、改変が可能だから。肯定もしなければ、否定もしないが、

 「在りよう」が、単純に面白い。

 そして「怪談」が登場。舞台は、もちろん、

 「キャバクラ焼失事件」のあった44名の慰霊が眠る雑居ビルの廃墟だ。

 繁華な人の流れの中で、意識しないと、私は、見逃してしまうが、

 未だ、立ち入り禁止の黄色いテープが、貼られて存在している。

 コマ劇前の広場の片隅に位置する丸い玉めがけて、

 慰霊の糸が、結ばれ、丸い玉が、慰霊の高温を沈静化し、

 上空に気化しているとのことだった。

 「怪談」は、信じないし、苦手だし、好きじゃない。

 むしろ、積極的に、排除したい方だが、「歌舞伎町のブッダ」には、

 「空気清浄装置」として、

 新宿のエアポケットで、精進してもらってればいい、そんな気がした。



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